北大路魯山人に学ぶ、現代の生き方。他人に流されずに自分の世界を生きるヒントとは?

美食家として知られ、陶芸といった芸術など多岐に渡って活躍されていた、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)を知っていますか?名前だけ聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。
島根県の足立美術館へ行ったときに、北大路魯山人の陶芸作品が展示されており、展示とともに彼の生き方を表す言葉が並べられていました。それを見て以来、わたしは北大路魯山人という人物、彼の生き方や考え方に興味を持つようになったんです。
なぜなら、彼の言葉には、現代を生きるわたしたちに、他人に流されずに自分の軸を持って生きるヒントが詰まっていると感じたからです。
今回は、北大路魯山人の言葉に学ぶ、現代を自分らしく生きるヒントをご紹介します。
1.仕事に遊ぶ。世間の人はなぜ遊ばないのか
北大路魯山人は、人間国宝に指定されても辞退するというほどの、確固たる自分の軸の持ち主。数々の陶芸作品を生み出し、多くの資産家や芸術家との親交もあります。
そんな魯山人いわく「私は世間のみなが働き過ぎると思う一人である。なんでもよいから自分の仕事に遊ぶ人が出て来ないものかと私は待望している」と。これ、現代でも同じようなことが言われていますよね。ホリエモンこと堀江貴文さんや西野亮廣さんも、仕事と遊びの境界をつくらずに、遊びが仕事になるということを言っているのを聞いたことがあるかもしれません。
自分の感性を磨き、芸術として表現する。感性を磨くためには、遊び心も大事だということですよね。仕事だけの人生で、疲れきっているというのは今も昔も同じ光景なのかもしれません。
2.悪いものは悪いとはっきり言う
魯山人は自分でも言っていますが、ものの言い方がきついことも多く、その点を嫌がられたり批判されることもあったようです。でも、本人はそれがわかっていても、自分のスタイルは変えませんでした。魯山人は著書の中で、茶人を嫌っていると書いています。その理由は「その人の前では褒めて、かげで悪口を言う。心に、言葉に、裏と表がある」からだと。
日本人は、本音と建前という言葉があるくらい、本音をなかなか表に出さない人が多いですよね。それでいて、裏では悪口や不満を言っている。それよりも、いいものはいい、悪いものは悪いと言ってもいいのではないでしょうか。相手を攻撃しろと言っているわけではなく、自分の気持ちに正直になること、人に対して裏表なく真っ正面から向き合うこと。
多数の人とコミュニケーションを取ることが簡単になったいまの時代、お互いに信頼し、一緒に仕事をする。人生を一緒に楽しむ。そんな人間関係を築ける人は、裏表のない人なのではないでしょうか。
3.技術だけでなく人格の重要性も認識する
これは「芸術に限っては」という条件つきで主張されていますが、作品には技術の優秀さだけでなく、人格も反映されるものだと、魯山人は言っています。これは、芸術だけでなく、ほかの仕事でも同じことが言えるのではないでしょうか。
特に、対人の仕事の場合はなおさら。どれだけトークがうまくても、どれだけスキルを身につけても、必ずしも仕事でいい結果が得られない人もいると思います。そこには人格という要素が影響を及ぼしているんです。それは、他人にあわせて作った人格ではなく、自分の世界を持ち、自分の意志を貫いているからこそ磨かれる人格ですよね。
発言にトゲがあり、賛否両論大きく分かれると言われる北大路魯山人。批判が出るぐらい、自分の気持ちにウソをつかず、自分の信念を表現しているということですよね。しかも、さまざまな芸術や食に対しての妥協のない追求心で、仕事としても大きな成果を出しています。
彼の生き方、信念は、いまを生きるわたしたちにも大きなヒントとなる要素が詰まっているので、参考にしてみてくださいね。