歴史ある製造業で優秀な若手が辞めていく理由とは?
2017/12/17

自動車、電機、インフラ系製造業…重工や機械系の製造業は日本で歴史ある産業ですよね。でもこういった製造業で優秀な若手ほど、見切りをつけて次のステップへ行ってしまうことが多いのではないでしょうか。
せっかく育てた期待していた若手が辞めてしまったと頭をかかえる上司もいるのではないでしょうか。それは日本の古い文化がまだまだ根づいている製造業だからこその問題点でもあるのではないでしょうか。
優秀な若手が楽しいと感じてモチベーションを維持するためには、何が足りていないのでしょうか?今回は、歴史ある日本の製造業で優秀な若手が辞めてしまう大きな要因をお伝えします。
1. ルールや慣習を伝えることだけが上司の仕事ではない
優秀な若手が見切りをつけてしまう要因の1つとして、上司の考え方やこだわりが挙げられます。
例えば、転職をしていたとしてもずっと自動車産業で経験を積んできたという上司の場合、”自動車業界とはいかなるものか”という慣習を教えようとする人がいます。
価格交渉の戦略などは営業の力を発揮できる場でもありますが、それに対して「自動車業界ではこういうルールなんだ」と、過去のルールをただ教えるのは優秀な若手のやる気を減退させることにもなりかねません。
確かに、業界独特の慣習は伝えておく方がいいかもしれません。ただ、それを理解した上でも新たな戦略を考えることだってできるはずです。ただ慣習に沿った作業をするのであれば、個々人の能力とは関係ない仕事となってしまいます。
優秀な若手ほど、自分の頭で考え、これまでの慣習にはこだわらない新たな戦略を考えることに面白みを感じるのです。
2.年齢や経験を理由にしていませんか?
歴史ある日本の製造業に長年勤めている人ほど、「過去の経験」を重視する傾向が強いように感じます。
わたしのチーム内に、あきらかにそのポジションとしての能力・期待値に達していない人がいました。中途採用で入社してきて数ヶ月、確かにパフォーマンスを判断するには早いと思う気持ちはわかります。
でも、時間が解決するものと、時間が経っても変わらないものの判断は早めにすべきだと思うんです。マネージメントはそれも仕事のはずです。
この例の場合、まさに「過去の経験」を判断軸としている古い考え方のマネージメントがこう言いました。「この業界での経験がないから、まだ時間かかるんじゃないかな」と。
この発言の問題点わかりますでしょうか?言い換えると、「業界での経験があれば、パフォーマンスを出せるはず」と思っているということですよね。ではチーム内でどんどんパフォーマンスを出している人が、全員この業界での経験がある人なのでしょうか?答えはノーです。
以前、ホリエモンこと堀江貴文さんが「寿司職人の長い下働きは不要」と発言して炎上しましたよね。これも「過去の経験」を重視するあまり、経験のあるなしでパフォーマンスが決まると勘違いしている人が多いということですよね。
もちろん、仕事によっては経験が大事なこともあると思います。経験によって応用がきくということもありますよね。でも、経験がないから仕事ができない、パフォーマンスが悪いという公式は成り立ちません。
経験の有無は1つの指標でしかなく、それだけに判断を頼ると時代の変化についていけなくなるのではないでしょうか。そして時代の流れを察知している優秀な若手ほど、そういったマネージメントに見切りをつけて次のステップへ向かってしまうのです。
経験だけにとらわれない柔軟な考えが若手の活用につながるかもしれませんね。