リクルートで学んだこと。あえて「元リクルート」という視点で〜ブランディングの大切さ〜
2018/02/06

「元リクルート」ってなぜかブランド化されていますよね。おそらく昔ほどの「リクルートっぽさ」は、今はないのかもしれませんが。わたしは約1年だけリクルートに在籍していました。今回は、リクルートで学んだこと、退職後にどんな影響を及ぼしているかを、ご紹介します。
わたしはリクルートを神格化するつもりはありません。でも、たった1年でもリクルートにいた経験は、後々の自分のキャリア形成の糧になる部分もあったので、あえて「元リクルート」という視点で書いてみました。
1.リクルート在籍時に学んだこと
リクルートにいたというと、「体育会系っぽいよね」「ゴリゴリの営業でノルマきつそう」とか「独立する人が多い」といったイメージを言われることがあります。
わたしは転職して2社目として、リクルートに入社しました。しかも、1社目が真逆の文化である石油メーカーからの転身でした。新卒スタートが古い保守的な日本の大企業だったからこそ、リクルートを一歩引いた客観的な目で見ていたのかもしれません。
そんなわたしは、リクルートキャリアの新卒エージェント営業担当となりました。営業ははじめて、サービス業もはじめて。はじめてだらけで、ある意味固定概念ないまま仕事に邁進していけたと思っています。
古い体質の製造業にいたので、リクルートで学んだことはダイレクトにわたしの経験となり、いいスパイスとなって今でも生かされています。サービス系の営業を経験したことのある人にとっては当たり前のことかもしれませんが、こんなことを学べたと感じています。
「結果・数字にこだわること」→営業としては当たり前のことですが。営業でなくても数字で成果を見るという思考が、リクルートにいてかなり強くなりました。
「目標達成のための行動目標の立て方」→毎月数字を追っている営業にとっては必須の考え方ですよね。売上目標達成のために、どんな行動がどれぐらいの量必要なのかを分かっていないと、なんとなく毎月過ぎていきます。この考え方が身につくと、営業の仕事以外でも、会社以外でも、目標達成への計画が立てやすくなります。
「とにかく深掘りして考える、思考力」→リクルートといえば「おまえはどうしたいのか?と問われる」と聞いたことがあるかもしれません。ただの伝書鳩では価値がない。考え抜くこと。なぜを深掘りして、核心にせまること。この精神が今でもわたしには根づいていて、職場で「あなたはどうしたいの?」と詰めてしまうこともしばしば…。
「自分の意見を我慢せずに出すこと」→これはあくまでわたしの場合ですが、元々保守的な大企業にいたので、自分の意見を主張することがよしとされず、我慢していることが多くありました。リクルートに入ってからは、思ったことは言う、納得するまで議論するということを遠慮なくできるようになりました。(保守的な会社にいても、これができる人もいます。もちろんそれができたらいいのですが、言いやすい環境を活用するという手もアリだなと)
こんなことリクルートにいなくても学べるだろと思う人もいるかもしれませんね。もちろんどんな会社にいても自分次第でいろんなことが学べます。
でも、リクルートは他業界出身でゼロからの経験値でも、短期間で学びやすい環境だと振り返って思っています。
2.リクルート退職後の影響
わたしは、リクルート営業時代の取引先の一つへ縁あって転職しました(人材系営業のあるあるですね)。外資系自動車部品メーカーなので、またメーカーへ戻った感じです。ただ、リクルートにいた経験が、後になってじわじわと影響を及ぼしていると感じています。
「元リクルート」という看板によって、こんなイメージを持たれることがあります。
「気が強いゴリゴリ系女子と思われやすい(実際、気が強い方だと思いますが…)」「リクルートで営業やっていたなら、ハードワークでも耐えられそう」「仕事以外でもアクティブに活動していそう」「コミュニケーション能力高そう」
これらのイメージは、わたしのキャラクターの問題でもありますが。わたし自身は、リクルートカラーに染まるタイプではなかったし、結構ドライな感じで仕事していました。でも、リクルートイメージのおかげで「仕事できそう」と初対面でも思ってもらえたりすることも多いんです。先輩方が築きあげてきた信頼ですね、ありがたいことです。
もちろん、リクルートにいるからといって優秀とは限らないのですが、「イメージ」って面白いんです。日本人は「イメージ」でモノや人を見る傾向が強いです。だからこそ、「イメージ」をうまく活用してしまえばいいんです。ポジティブなイメージがあるなら、それを存分に活用させてもらう。
日本人は人を「所属企業」「職業」で相手を判断する人がとても多い。わたしはこの考え方は好きではないです、所属や職業がなんであれ個人として見てほしいし、わたし自身もそういうイメージで人を見たくないと思っています。でも、イメージが存在している以上、共存すればいいと思えば気が楽になるのではないでしょうか。
「実際リクルートってどうなのよ?」「元リクルートってブランドかざして鼻高くしてるんじゃないの?」って思う人もいるかもしれませんが、元リクルートの人がみんなリクルートを神格化しているわけではないです。でも今回はあえて「元リクルート」という目線でリクルート時代を振り返ってみました。
というのも、会社だけでなく、特に会社以外の仕事の場面で、リクルートにいたという経験が大きな影響を及ぼしてくれていると思うことが多いからです。リクルート出身の大先輩方が活躍されているという背景もありますし。
たまたま機会をいただいて取材した社長さんが元リクルートの方で、とても励まされたこともありました。また、初対面の方でも、リクルートにいたなら仕事ができそう、根性ありそうと思ってお仕事を一緒にすることになる後押しをしてくれたり。
どこの会社に属しているかは関係なく、どんどん個人の力が試される時代になってきています。そんな時、自分をどんなブランディングしていくかという力は大事になってきますよね。「元リクルート」というブランディングを通じて、ブランディングの大切さに気づきました。それが一番の収穫かもしれませんね。
何ごとも振り返れば、点が線になって今につがっていると思っています。当時はリクルートに染まるものか!と鼻息荒くしていましたが、今となってはいい経験だったと思えるようになったので。
あなたも過去の点としての経験が、今となって線になってつながっていると思うことありませんか?どんなブランディングをするかは、あなた次第。過去の経験がよかったと思えるかどうかはあなた次第なのではないでしょうか。