お金と時間の使い方を変えることで、変わらない価値を手に入れる。〜植松努さんのスピーチからの気づき〜

人生の質や幸福度は、お金・時間の使い方で変わる。誰もが頭ではわかっていることかもしれません。でも、何にお金や時間を費やしたらいいのでしょうか。いろんな自己啓発本を読んだり、成功者の話を聞いたり、模索している人も多いのではないでしょうか。
あなたは普段、何にお金や時間を費やしていますか?1日、1か月、1年の間で、もっともお金と時間を費やしていることは何でしょう?(睡眠や食事という最低限の生活時間を除いて)
これを見直すと、時間をかけてじわじわと、あなたの人生の質は高まっていくんです。今回は、今の人生のままでいいのかと疑問に感じているあなたへ、お金と時間の使い方のヒントをお伝えさせていただければと思います。
1.お金の価値は変わる。変わらない価値にお金を費やすこと
人生に悶々と悩んでいる人のお金の使い方として多いのは、自分の自信のなさを穴埋めするための着飾るモノにお金を費やすことです。つまり、自分が強くなったように思わせてくれるものですね。豪華な車、洋服、時計など。
でも、ほんとうに「自分の」人生を歩んでいる人、人生が楽しくてしょうがないという人は、着飾ることにお金を使いません(趣味として車や洋服がほんとうに大好きという方は別ですが)。
なぜなら、お金やモノの価値は常に変わるということをわかっているからなんです。
先日、植松電機の社長さん植松努さんのTEDスピーチを聞きました→https://www.youtube.com/watch?v=gBumdOWWMhY
子どもの頃から、ロケットや宇宙に関心を持っていましたが、先生や周囲からは「どーせ無理」と否定ばかりされていたそうです。でも、今となっては、各国から見学に訪れるほどのロケット開発もされています。
そんな植松さんが、子どもの頃、おばあちゃんに言われたことがありました。植松さんのおばあちゃんは、コツコツと貯金をしてお金持ちになりましたが、いろいろな事情で、紙くずになってしまったと。だからこそ、こんな教訓を伝えてくれたそうです。「お金の価値は変わるもの。だから、お金があったら貯金しないで本を買いなさい。本を読んで知識を頭に入れなさい。自分の頭の中に入れた知識は、誰にも奪われることはないし、新しいものを生みだすから」と。
この教訓は、迫害された歴史を持つユダヤ人の教訓としても同じようなことが言われています。お金やモノは、価値が変わる。誰かに奪われることもある。でも、自分の頭に入れたことなら、誰にも奪われることはないし、新たな価値として発展していく立派な財産になるということなんですね。
必ずしも、本にお金を費やさなくてもいいかもしれませんが、要は、「お金そのもの」や「お金があるように見せかけるためのモノ」に、あなたのお金を費やすことは、もったいないのではないかと思います。価値が変わるものではなく、価値が変わらない、あるいは時間をかけて別のものへと変化していく材料になるものにお金を費やしましょう。本などから学ぶ知識、人との出会い、自分の人格を磨くためにお金を費やしてみると、いつしか、あなたの価値は高まっていることに気づくと思います。
2.あなたの「人としての在り方」を磨くためにお金と時間を使う。すぐ結果にならなくても軽視しないこと
人としての在り方を磨くために、お金や時間を使うってどういうこと?と思うかもしれません。売上などの仕事の成果として数値化できるものではなく、数値化できない、あなたの仕事への姿勢、人への向き合い方、誠実さなど、「人としての価値」とでも言えるでしょうか。
人は、すぐに結果を求めたがります。それも、数字として。給与の金額、売上金額、人数などなど。もちろん、仕事として目に見える成果を出すことは大事です。成果も出さずに、ただ「いい人なんです!」というだけでは、お友達で終わってしまいますね。
今後、個人として仕事をしていきたい、働き方の選択肢を増やしたいと思っているのであれば、数値化できる成果は前提として必要になります。ただ、それだけでは、自分らしく人生の幸福度を高めることは難しいのです。
人生の幸福度を高めるためには、「あなただから」「あなたにお願いしたい」と思われることなのではないかと思っています。そのためには、数値化できない人としての在り方が大事になるんです。
この「人としての在り方」を磨くためにお金と時間を費やすこと。この成果は、すぐに現れるのではなく、時間が経ってから現れることが多いです。でも、無駄とは思わずに、コツコツと、人としての在り方を磨いておくことをオススメします。たとえば、人としてとても素晴らしいと思うような経営者の方と時間を共有できるようにする、そういう人の考え方を取り入れるためのイベントや本にお金を費やすでもいいかもしれません。
わたしの場合、数値化できない人としての在り方を、物心ついたときから大事にしていたと今になって気づきました。当たり前のことですが、約束を守る、納期を守る、1つ1つの仕事や学習に誠実に向き合う。人に対しても、真摯に対応するなど。当たり前のことを当たり前にやる。これをずっとつづけてきました。
でも、この人としての在り方って、大きな会社組織にいるだけだと、その価値が認められない、あるいは自分でも価値に気づかないなんてことも多いんです。でも、この在り方は、フリーランスや経営者になると、大きな価値として花開くこともあります。
実際、わたしは、この「在り方」「姿勢」を買っていただいて、個人としていろいろなお仕事を任せていただけるようになりました。それを気づかせていただいたのは、同じように、在り方や姿勢を磨いてきた経営者の方でした。自分では価値だと思っていなかったものが、実は価値になっていたということなんです。
お金や時間の使い方はあなた次第。すぐに成果が出るもの、自分を満足させてくれるものだけに目を向けるのではなく、時間が経っても価値として生きつづけるものに目を向けると、あなたの人生の質は変わっていくかもしれませんよ。